稲垣足穂が77年に発表した「多留保判 男色大鑑(なんしょくおおかがみ)」の造本がすごい。
杉浦康平がデザインした本書は380部限定で当時の価格は12万円。
帙〈ちつ〉というのは本を包み込む帯みたいな部分の名称らしいが、表の月型の嵌め込みの部分は液晶になっているという凝りようだ。
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77年と言うと僕が生まれる前年で、当時の流行をテレビなんかで見るととても古臭く大昔のことのように思えるけれど、こういった全然古びていないものもあるんだ。当たり前だけど。
ただ、豪華な造本の一方で、稲垣足穂作品として見るとかなりマニアックな部類に入るようだ。
そもそも井原西鶴による原作(1687年/貞享4年)を元にしたものだし。
ちなみに足穂さんはこの本が出た歳に亡くなっているから、もう最晩年だね。
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画像に使用したものは発売前に角川書店から発行されたチラシのようなもので、これには内容の見本も挿まれている。
和綴本の見本(右端を糸で綴じる前の段階)↓
絵巻に掲載された絵のイメージ↓
実物を見られなくとも、このチラシだけでわくわくさせられる。
情報を提供してくれた友人に感謝します。
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