2012年12月31日

2012年 観たもの聴いたもの

<映画>

Virginia/ヴァージニア [DVD]

■ 歴史は女で作られる (マックス・オフュルス/1955)
■ 陽炎座 (鈴木清順/1981)
■ ツイゴイネルワイゼン (鈴木清順/1980)
■ アップ・サイド・ダウン クリエイションレコーズ・ストーリー (ダニー・オコナー/新)
■ メランコリア (ラース・フォン・トリアー/新)
■ 断絶 (モンテ・ヘルマン/1971)
■ メインテーマ (森田芳光/1984)
■ ものすごくうるさくてありえないほど近い (スティーブン・ダルドリー/新)
■ ヒューゴの不思議な発明 (マーティン・スコセッシ/新)
■ ニーチェの馬 (タル・ベーラ/新)
■ シャーロック・ホームズ シャドウゲーム (ガイ・リッチー/新)
■ コーマン帝国 (アレックス・ステイプルトン/新)
■ 霧の中の風景 (テオ・アンゲロプロス/1988)
■ ル・アーヴルの靴みがき (アキ・カウリスマキ/新)
■ 私が、生きる肌 (ペドロ・アルモドバル/新)
■ ダークシャドウ (ティム・バートン/新)
■ きっとここが帰る場所 (パオロ・ソレンティーノ/新)
■ クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち (フレデリック・ワイズマン/新)
■ 苦役列車 (山下淳弘/新)
■ ミッドナイト・イン・パリ (ウディ・アレン/新)
■ ストーカー (アンドレイ・タルコフスキー/1979)
■ ヴァージニア (フランシス・フォード・コッポラ/新)
■ ドキュメント灰野敬二 (白尾一博/新)
■ ライク サムワン イン ラブ (アッバス・キアロスタミ/新)
■ エル・スール (ビクトル・エリセ/1983)
■ シュヴァンクマイエル短編集
■ 白夜 (ロベール・ブレッソン/1971)
■ 永遠と一日 (テオ・アンゲロプロス/1998)
■ ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショ二スタ (リサ・モルディーノ・ヴリーランド/新)

新作の中からベスト5を選ぶと、「ヴァージニア」「私が、生きる肌」「ニーチェの馬」「きっとここが帰る場所」「ヒューゴの不思議な発明」。
一時期よりも観る量は減ったけど、それは自分の好みがわかってきたから。
古い作品こそもっと観るべきで、今さらだが「ツイゴイネルワイゼン」には完全に心奪われた。
アンゲロプロスは奇しくも追悼上映で初体験となってしまった。


<展示>

ギュスターヴ・モロー―「自作を語る画文集」夢を集める人

■ 松井冬子展 (横浜美術館)
■ ジョン・サンテリネロス展 (神保町画廊)
■ 建石修志展 (Bunkamuraギャラリー)
■ 森馨×沙村広明展 (ヴァニラ画廊)
■ 谷敦志展 (ポスターハリスギャラリー)
■ マックス・エルンスト展 (横浜美術館)
■ バルビエ×ラブルール展 (練馬区美術館)
■ 動物相展 (LIBRAIRIE6)
■ デヴィッド・リンチ展 (8/03 ART GALLERY/TOMIO KOYAMA GALLERY)
■ Emeth展 (NOEMA images STUDIO)
■ 象徴派展 (岐阜県美術館)
■ 自然と幻想の博物誌展 (豊橋市美術博物館)
■ F氏のコレクション展 (豊橋市美術博物館)
■ 小林希展 (青木画廊)
■ 寺山修司展 (ポスターハリスギャラリー)
■ アナザーへのオマージュ展 (Bunkamuraギャラリー)
■ 胃画廊展 (ポスターハリスギャラリー)
■ ポール・デルヴォー展 (府中市美術館)
■ 清水真理展 (アビエタージュ)
■ 杉浦則夫展 (ギャラリー新宿座)
■ 常設展・特集/藤野一友 (LIBRAIRIE6)
■ 山下陽子展 (啓祐堂ギャラリー)
■ 松島智里展 (ポスターハリスギャラリー)
■ 大正ロマン人形展覧會 (鳩山会館)
■ ヴィヴィアン佐藤展 (星男)
■ 森馨展 (ポスターハリスギャラリー)

ベストはバルビエと象徴派展。会場も含め思い出に残ったのは鳩山会館。マニアック度の高さではサンテリネロス。
新しくできたギャラリー新宿座は面積が広く、ラインナップも特徴があるので今後も楽しみ。
それから、展示ではないので除外したけど、寺山修司関係で万有引力の公演「奴婢訓」を観たのも印象が強い。


<音楽>

From Beyond Love

2012年は、世間的に話題になってるなぁと感じたのはラナデルレイ、自分がもっと若かったら聴いてただろうと思うのはグライムス、今の自分がもっとテンション高ければ聴いてみたいのがダーティー・プロジェクターズ、という印象の一年。
そして、5年連続参加したフジロックからついに離脱してしまった。
それじゃ結局何聴いてたのかというと、前に掲載したStrings Of Consciousnessは自分にとって鍵になりそうな一枚で、久々に愛聴した。
再発ではダニエル・ダックスとパレ・シャンブルグを聴いたなー。





暮れの新作




















こんなの作りました。
地下室の森」で大きく掲載してます。

2012年12月28日

星の文化史事典

星の文化史事典

ジョセフ・コーネルの作品が表紙に使われている本を発見した。

神話や芸術など、さまざまな地域・時代における星と人間の関係をまとめた事典形式の本。
コーネルの作品はこのテーマに合っていると思う。

2012年12月26日

地上の生活 セレクション4

そろそろ今年も終わりなので、Tumblrのまとめをしよう。
Amazonに画像が上がってないアーティスト一覧。
今回はジャンル分けせず、ほぼ時代順に羅列する。
もうこの記事に関しては自分だけ分かればいいので適当です!


Laura Makabresku 写真 少女 背中 鹿

Pavel Odvody 00年代 白黒写真 裸婦

Lilya Corneli 写真 加工

Katrien De Blauwer  コラージュ セピア

Francesco Viscuso セピア 写真 日本語

miss deathwish 写真 眼 花

Cendrine Rovini イラスト 動物 子ども 淡い色

Anita Calero コラージュ 装飾品

Kathrin Ziegler 白黒写真 目隠し

Kerstin Stephan コラージュ セピア ドイツ

Katarzyna Widmanska 写真 ゴス 眠り

lauren treece 写真 影と光 廃墟

Marianna Rothen 写真 窓 薔薇

Hana Davies ポラロイド 組み合わせ

Charles Wilkin コラージュ 顔 洋梨

Vlad Sokolov 落ち葉 椅子

Marc Lagrange モノクロ写真 裸婦 ゴス

Dan May キノコ 象 ファンタジー

Scott Ferry スコット・フェリー ゴス 日本で売れそう


Lara Zankoul 写真 浮遊 マグカップ

christopher conn askew イラスト ゴス ジャパネスク

Steev Burgess コラージュ 詩人

Alexey Golovin 裸婦 布 ビビッド

Alexandra Levasseur 弓 バスルーム 傘

Luis Ricardo Falero 裸婦 浮遊

Nadezhda Illarionova 人魚  彫刻   カエル 動物

Valerie Galloway 写真 アップ オブジェ

Margo Selski 三つ編み 豚

Maria Szollosi ヒョウ 白鳥 裸婦

Aela Labbe 写真 子ども 夕暮れ

Antoine Poupel  馬 アヒル 行列

Noil Klune  半抽象

Isa Marcelli  白黒写真 植物

Jared Joslin  煙突 眠る女

Ilya Zomb 葡萄 シマウマ スフィンクス

Marlo Broekmans 80年代 白黒写真 車輪

Mary Beth Edelson 70年代 オカルト

Raymond Bertrand レイモンド・ベルランド フィクション表紙

Heinz Von Perckhammer   ヴィンテージ さかさま サイン

山本悍右 コラージュ 50年代

José Luis Pajares  50年代 抽象 四角形 青

Milena Pavlovic Barilli  1940 ヴォーグ

Jean Ingelow 20年代 挿絵 舟 白黒

Ernst Philippe Zacharie 19世紀 横たわる裸婦 鳥

Henri Pierre Picou 19世紀 フェアリー 墓 宴

Colette Saint Yves 19世紀 暗黒 写真

Ida Rentoul Outhwaite 挿絵画家 妖精 魔女

Nellie Joshua フェアリー 後ろ姿

Atelier Manasse ヴィンテージ トリッキー

Victor Florence Pollet 月に腰掛ける裸婦

Xan Stark ヴィンテージ 裸婦 見開き本

Bruno Braquehais  ヴィンテージ ヴェールを被った裸婦




2012年12月25日

ヘンリー・ピーチ・ロビンソン

'Fading Away', 1858. Robinson, H P (Henry Peach) from The Science and Society Picture Library (Art Print)

Henry Peach Robinson (1830-1901) はイギリスの写真家。

上に掲載した作品、ひと目見て気に入ってしまったのだが、調べてみたらなかなか面白い背景が見えてきた。

「消えゆく(Fading Away)」(1858年)という題の本作は、なんと5枚のネガを組み合わせた合成写真。
現代人が騙されるクオリティの合成技術だよ、1800年代なのに。
写真における芸術性を追求した「ピクトリアリズム」と呼ばれる流れの代表的作品だが、後に「こんな絵画みたいな写真は写真じゃない!」みたいな感じで猛烈に批判されたそうだ。

写真が今みたいに消費されていない時代、そんな批判が起こるのは必然だったのかもしれない。
けど、2012年のぼくにはとても新鮮に映る。
人物の服装等から古い時代のものと想像がつくのに、全体としては現代的に見えることが不思議なバランスを生んでいる。
合成だと種明かしされても、冷めるどころかますます魅力的だ。


地上の生活




アンスター・フィッツジェラルド

The Fairies Banquet John Anster Fitzgerald 1859 - Quality A4 Print

john anster fitzgerald (1819-1906) はビクトリア朝時代のイギリスの妖精画家。


地上の生活

2012年12月2日

稲垣足穂「多留保判 男色大鑑」の豪華本


稲垣足穂が77年に発表した「多留保判 男色大鑑(なんしょくおおかがみ)」の造本がすごい。

杉浦康平がデザインした本書は380部限定で当時の価格は12万円。

和綴本の「男色大鑑」「稚児之草子私解」と、巻物状の「稚児之草子絵巻=復刻版」を帙に収めた体裁になっている。

帙〈ちつ〉というのは本を包み込む帯みたいな部分の名称らしいが、表の月型の嵌め込みの部分は液晶になっているという凝りようだ。



77年と言うと僕が生まれる前年で、当時の流行をテレビなんかで見るととても古臭く大昔のことのように思えるけれど、こういった全然古びていないものもあるんだ。当たり前だけど。

ただ、豪華な造本の一方で、稲垣足穂作品として見るとかなりマニアックな部類に入るようだ。
そもそも井原西鶴による原作(1687年/貞享4年)を元にしたものだし。

ちなみに足穂さんはこの本が出た歳に亡くなっているから、もう最晩年だね。



画像に使用したものは発売前に角川書店から発行されたチラシのようなもので、これには内容の見本も挿まれている。

和綴本の見本(右端を糸で綴じる前の段階)↓


絵巻に掲載された絵のイメージ↓










実物を見られなくとも、このチラシだけでわくわくさせられる。

情報を提供してくれた友人に感謝します。