Bat-Manga!: The Secret History of Batman in Japan
Chip Kidd
洋書の中から日本語が目に入ってくると
不思議な感覚に襲われる。
これはチップ・キッドという前から好きなブックデザイナーが作った本だが
内容は昔日本の「少年キング」で連載されていた「バットマン」の復刻だ。
この再現の仕方が普通じゃなく、古雑誌の色褪せた感じがそのまま印刷されていたりする。
漫画雑誌だとよくページ端のコマ枠の外側に、
前回のあらすじとか雑誌の発売日なんかが書いてあるけど
その部分まで再現されていて、なんとも奇妙なことになっている。
調べたところでは、作者は「エイトマン」とかを描いていた桑田次郎氏で
連載してたのは1966年と僕が生まれるずっと前。
「少年キング」という雑誌自体、僕の世代だとなじみがないんだけど
「マガジン」「サンデー」に続く3番目の少年誌で
88年に休刊しているらしい。
88年ならジャンプ全盛期だなぁ。
なんでアメリカから復刻されるのかと思うが
チップ・キッドはどうやらバットマンマニアのようで
日本のものまで発掘してしまったようだ。
漫画に限らず日本の作品が海外で、というのは珍しくなくなったけど
日本国内との捉えられ方の違いを見るのは面白い。
特に本作はデザイナーのフィルターを通して
やたら古い漫画を復刻してしまったからインパクトが大きい。