2012年7月31日

写真家ミロスラフ・ティッシーの数奇な運命

Miroslav Tichy

Miroslav Tichy(ミロスラフ・ティッシー)

ちょっと変わったチェコの写真家。現在80代。

元々絵画を学んでいたが共産主義政府と衝突し、刑務所やら精神病院に何年も入るハメになる。
その後もホームレスのような生活を送っていたが、その頃に少女を写真に撮りたいという欲望が高まった。

そこでなんと彼はガラクタを使ってカメラを自作!
その自作カメラで木陰かなんかに隠れて少女らの写真を撮る。

それってのぞきなのでは…?という気もするけど、倫理的な話はここでは置いとこう。
超ローテクの自作カメラなだけに写真はどれもぼやけているが、時には自分で「額装」もするそれらの作品は独特で、彼のまなざしを感じる。
(僕は最初Tumblrで写真を見つけ、「額装」にグッときた。彼の事情は後から知った。)

今では高額で取り引きされているそうだけど、本人にとっては不本意じゃないのかなぁ?
写真集もたくさん出ているようで驚いた。


地上の生活
(衝撃の自作カメラの外観も掲載中。)

2012年7月27日

Gee Vaucher (CRASS)

Who We Touch

シャーラタンズは全然興味ないんだけど、かっこいいジャケット。

最近のグラフィックデザイナーかな?なんて思ったら、なんとこのアートワークは70年代に活躍したパンクバンド、CRASS(クラス)の女性メンバーGee Vaucher(ジー・バウチャー)が担当したらしい。

クラスと言えばDIY精神の元祖で、レコード制作からジャケットの印刷まで全部自分たちでやったというエピソードが有名だ。
ジー・バウチャーは楽器の担当もあるんだろうけど、同時にデザインも担当してたんだね。

クラスに関する和訳本も出ているので、ちょっと読んでみたい。

CRASS


地上の生活

2012年7月24日

Alison Scarpulla × oOoOO

Our Loving Is Hurting Us

最近レコジャケと写真家に関する投稿ばかりになっていますが。

今回のもたまたま店に並んでいたもので oOoOO という読み方の分からないユニット。
このジャケットの写真を Alison Scarpulla という写真家が担当している。
前にTumblrで見たことある人だった。

この oOoOO 、「ウィッチハウス」という言葉で紹介されていて、最初レーベル名かと思ったんだけど、どうやら新しい音楽ジャンルの名前らしい。
知らないうちに新しい言葉が…!
まあジャンル分け自体はどうでもいいけど、そういう単語を聞くことも増えるのかもしれない。

地上の生活

via monaural.net



2012年7月23日

guided by voices 再始動

Class Clown Spots a UFO

休止していた guided by voices が再始動したらしく、そのジャケットが面白いので掲載。
このコラージュ、誰によるものか検索してみたけどわからなかった。

バンドに関してはあまり詳しくはないのだが、在庫処分で何枚か買ったことがあって。
90年代のアメリカン・オルタナティブの極北的な感じかな。
一時期、マタドールとも契約していた。
録音は大雑把な感じもするんだけどローファイな味があり、メロディが親しみやすい。
そして非常に多作!短い曲をやたら次から次へ作る。

ぼくは "SUITCASE" という4枚組全100曲のボックスを持っているんだけど、それも500円くらいで手に入れたものだった(笑)
聴き手としてはどっから手をつけていいのかわからない。
でもそこがいい。代表曲とかってあるのかな?

興味深い日本語の情報サイト

2012年7月21日

ヘンリー・ミラー × 羽良多平吉

ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ

ヘンリー・ミラー 「ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ」

羽良多平吉による装丁がかっこいい。
金色の部分は箔押しになってる。


2012年7月18日

E. J. Bellocq

Storyville portraits

E.J.ベロック (1873-1949)

約100年前の娼婦の写真。
プライベートで撮っていたらしく、死後に百枚近いネガが発見された。

おそらく公開するつもりのなかった、ましてや秘密だったかもしれない写真。
画面の劣化も含め、写真家と娼婦との関係性、その時その場所の空気感を想像すると何ともいえない気持ちになる。


地上の生活

2012年7月16日

Brooke Shaden × Mint Julep

Save Your Season

Brooke Shaden(ブルック・シャデン) による写真がシューゲイザーユニットのMint Julep(ミント・ジュレップ)のカバーアートに使われている。

ブルックは87年生まれ、夕暮れ時のような色彩で浮遊感のある世界を生み出す。
シューゲイザーの音にはぴったりな感じ。

ミント・ジュレップはシューゲイザーの中でもエレクトロ寄りの音作りで、M83なんかに近いかな。
日本盤にはモグワイ他によるリミックスも収録。

アートディレクターのサイトでLPジャケットやシングル盤も見れる。

2012年7月8日

Kristamas Klousch × David Sylvian

スリープウォーカーズ

Tumblrで見つけて気に入ったクリスタマス・クラウシュという女性の写真家がいるんだけど、彼女の作品がデヴィッド・シルヴィアンのアルバムで採用されている。

僕はまず色に反応するので、クリスタマスの写真も色つきの写真の方が印象に残っているのだけど、これは白黒でしかもセルフポートレートだとか。
ちょっとゴス入ってますね。

いつもジャケットに拘りが窺えるデヴィッド・シルヴィアンのこのアルバムは、コラボレーション楽曲を集めた編集盤。
ふつう編集ものと聞くと安易な感じもするけど、このジャケットだけで新作アルバムのような緊張感が伝わってくる。

ペドロ・コスタ - 『溶岩の家』スクラップブック

Casa de Lava―『溶岩の家』スクラップ・ブック

ポルトガルの映画監督、ペドロ・コスタのスクラップブックを再現したもの。
彼のことはほとんど知らないのだが、本屋でペラペラ見てたらグッときた。
手帳に張り込まれた写真や手書きの文章は何かを作っている未完成の段階の楽しさを思い出させてくれる。
質素な緑色の表紙は、実際のノートの表紙そのままということだろう。
大竹伸朗の初期のスクラップブックにも近いものも感じた。

長編2作目にあたる「溶岩の家」(1994年)を撮影するにあたって作られたものだそうだが、ファン以外でもこういうの好きな人いると思うな。
美蔦堂による独自の製本で限定800部!

実はペドロ・コスタに関しては「何も変えてはならない」(2010年)という作品を公開時に観たことがある。
8月の猛暑の時期の涼しい映画館だったせいもあり半分くらい寝てしまったのだが、断片は不思議と記憶に残っている。

シネマトリックスのHP