
年に一冊本を作ることを自分に課しているのだけど
正直今年はネタ切れでもうダメかも、と思っていた。
何かを続けるということは本当に大変だなと思う。
しかし意地もあって、暮れになって小さな本を作った。
まあいわゆる本の形ではないけど自分にとっては本。
今回はコラージュやスケッチを集めたものではなく、
いろんなところから切り取ったイメージを
ひとつづつカードにしただけで、計37枚を袋に収めた形にした。
上の写真は袋を閉じた状態。
袋を開けると中からカードが↓




全部並べるとこんな感じ↓
![]() | Deborah Turbeville: Past Imperfect Deborah Turbeville Steidl 2008-11-05 by G-Tools |
![]() | Casa No Name Rizzoli 2009-04-14 by G-Tools |
![]() | Nostalgia Editions Assouline 2009-12-30 by G-Tools |
![]() | Unseen Versailles Doubleday 1982-02 by G-Tools |
![]() | Studio St. Petersburg Bulfinch Pr 1997-10 by G-Tools |
たまたま洋書屋でpast imperfectという作品集を見かけた。
一番上の画像とは違った表紙だったと思う。
セピア調で退廃的な雰囲気の写真がページ一面に出たり
何枚も並べてテープで貼ったようなページがあったり。
手書き文字が入ったりしてるのも好みの感じだった。
この他に日本では、85年に「過去を旅する女たち」
96年に「聖マリア・キャンデラリアの旅」という2冊が
PARCO出版から出たことがあるらしい。
前者には当時パルコのキャンペーンに使われた写真が
収録されているらしい。
80年代に奇妙な憧れがある自分は思いを巡らせてしまう。
で今度はパルコのことを調べると
72年に渋谷店が開店(思ってたより昔だな)したことが
新宿から渋谷へと若者文化が移る転換期になった。
そして80年代の伝説(?)雑誌「ビックリハウス」を出していたのがPARCO出版。
前に小西康陽がインタビューで「西武文化は目の上のタンコブだった」
みたいな発言をしていたけど、
昔はこういう拠点があって、まとまった動きみたいなのがあった。
ネット時代になってそれもなくなってきたのかな。
そして、これを書いてる間に、
上記の写真集を見つけた本屋は渋谷パルコ内だったことに気付いた。
なんだか連想ゲームみたくなってしまった。
しかし、自分が幼少期だった時代への特別な関心
は一体なんなんだろうか。
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コンパクトなサイズの写真集で、ホチキスどめの小冊子7冊組という形態に目をひかれる。
タイトル通り、全部ポラロイド写真。
写真の暗めの都会的な雰囲気は好きだけど、
造本は中途半端な印象ではある。
箱がペラペラだったり、中身の写真部分が全部コーティングされてたりして
豪華なんだかチープなんだか・・。
本屋では5~6千円したけどアマゾンだとずいぶん違うもんだな。
![]() | Candida Hofer : Libraries Thames & Hudson Ltd 2005-10 by G-Tools |
カンディダ・ヘーファーによる世界中の図書館を撮影した大型写真集。
表紙のような荘厳な雰囲気が貫かれており、
人は全然写ってない。すごい緊張感。
人の部屋の雑然とした本棚を見るのも楽しいけど、
これはこれで別の面白さがあある。
![]() | Peter Beard 2010 Calendar (Taschen Deluxe Diaries) Peter Beard Taschen 2009-08 by G-Tools |
来年のカレンダーが出回っているけど、
ピーター・ビアードのものがあってちょっと意外だった。
いつ見てもかっこいい。
![]() | Where the Action Is! Los Angeles Nuggets 1965-1968 Various Artists Rhino 2009-10-05 by G-Tools |
ライノから出ている60年代サイケ音楽のボックス「ナゲッツ」のシリーズ最新作。
ボックスでよくある細長い形ではなく、書籍風のしっかりしたデザインがかっこいい。
音源も豊富で、こういうのは普通のCDと比べて高いなぁと思うよりは
資料的にもデザイン的にも優れた本だと思うと近づきやすいのかもしれない。
![]() | Love Is the Song We Sing: San Francisco Nuggets 1965-1970 Various Artists WEA/Rhino 2007-09-18 by G-Tools |
これも以前見かけて気になってたものだが
2年前に出た姉妹作で、サンフランシスコ編らしい。
こっちはいかにもサイケな絵の表紙。
![]() | kiki #05 特集:Matador at twenty kiki編集部 kiki編集部 2009-10-10 by G-Tools |
![]() | LINERNOTES 青土社 2008-03-25 by G-Tools |
![]() | 禁断異系の美術館2 魔術的エロスの迷宮 (TH SERIES ADVANCED) 書苑新社 2009-09-30 by G-Tools |
![]() | フローラ逍遙 (平凡社ライブラリー) 平凡社 1996-10 by G-Tools |
![]() | デザインの現場 2009年 10月号 [雑誌] |
(1)いかにもZINEっぽい表紙が素敵な小冊子。500円。中身は普通の雑誌っぽいので、ちょっと中途半端な感じ。(2)ジャド・フェアのライナーが含まれていた気がする。(3)国内外のカルトな画家を章ごとに紹介。モノクロの図版もあり、この本自体がなんとも怪しい雰囲気を醸し出している。(4)きれいな花の絵が収録された図鑑っぽい構成。(5)ZINES MATEというイベントの出品作の紹介ほか。値段は高め。
![]() | Manafon David Sylvian Samadhi Sound 2009-09-15 by G-Tools |
デヴィッド・シルヴィアンの新作のジャケットが目に止まったので
調べてみた。
使われている絵はRuud Van Empel(ルード・ヴァン・エンペル)という画家の作品。
http://web.ruudvanempel.nl/home.html
見たことある絵も載ってるな~。
全体のデザインは4ADでおなじみのクリス・ビッグで、
内ジャケには前作とそのリミックス盤で起用された
福井篤によるポートレートも含まれているらしい。
この福井篤という人は前作発売時に知ったけど、
それほど有名ではないんだよな。
http://www.samadhisound.com/artfile/atsushi_fukui.html
美術から離れて音楽に専念していた時期があるらしいけど
どうやってシルヴィアンに見出されたんだろう?
![]() | Blemish David Sylvian UM3 2006-01-02 by G-Tools |
![]() | The Good Son vs. The Only Daughter: Blemish Remixes David Sylvian Samadhi Sound UK 2005-03-15 by G-Tools |
今回のルード氏のジャケの方がビビッドで好きだけど、
この人の絵も美しい。
どちらも静かな森のイメージ。
同じチームで最新作の限定盤2000部(少ない!)も出る。
音は全然聴いてないくせに盛り上がってしまった。
アンナ・トムクザック(と読めばいいのか?)
という写真家の作品集。
モデルや物を配置して絵を作るようにしてから撮る、
こういうジャンルはなんて呼べばいいのだろうか。
言葉に関してはわからないことだらけだが
静かで神秘的な作風にぐっときた。
本の編集はごく普通のもの。
*
洋書店から知らない世界を探し出すのは面白いけど
なかなか自分の表現として消化できないのがもどかしい。