2007年12月25日

ベスト・ジャケット2007



冬が苦手だ。
寒くて昼が短いと気分が鬱々としてしまう。
なるべく日光を浴びるようにはしてるけど
うまく冬を乗り越えるにはどうしたらいいのでしょうか。

毎年勝手に発表している
年間ベストレコードジャケットを
今年も勝手に発表。

Panda Bear / Person Pitch
とても不思議なセンス。そしてどこかかわいい。
誰が作ったんだろう?
色も濃密な感じで、今年のベスト1です。
CDはアニマル・コレクティヴのメンバーのソロらしい。

CocoRosie / The Adventures of Ghosthorse and Stillborn
これはピエール&ジルによるもの。
彼らのことはよく知らなかったが、
オールアバウトに記事があり興味深い。

Kristin Hersh / Learn to Sing Like a Star
僕の好きな4ADのミュージシャン。
人間の体の一部分のアップが好きなのを改めて感じた。

Red Krayola / Sighs Trapped by Liars
人物のみドローイングになっている。
二人が何故うつむいているのかは知らないが
面白いポーズだ。

Siouxsie / Mantaray
スージー&バンシーズのボーカリストのソロ盤。
何やらカラフルだなと思って近づいて見ると虫。
彼女のイメージに大変合っていて
うまいデザインだと思った。

石橋英子×アチコ / ロラ&ソーダ
久保田真里さんというイラストレーターの絵で
以前にも彼女の絵のジャケを選んだことがあった。
毒のあるかわいさ。

Patti-Smith / Twelve
パティ・スミスが21歳の誕生日に
故ロバート・メイプルソープからプレゼントされた
刺繍入りのタンバリン、らしい。
でもそんな伝説を知らなくても
初めて見たときから綺麗だなと思った。


以上です。

ジャケの話とは違うけど音楽のことをもうひとつ。
先日、ICEという二人組の片方が若くして亡くなった。
高校生の頃に彼らの音楽やラジオ番組をよく聞いていたのだが
過小評価されている印象をずっと持っていた。
ポップで聞きやすい上、たくさんの音楽を聞いて消化していた。
良いミュージシャンは良いリスナーなのだと思う。

ご冥福をお祈りします。

2007年12月3日

インタビュー



「manicured picture」に関するインタビューをアップしました。


さて、先週は展示の搬出を行ないましたが
なんと、中身2枚が盗まれていました。

管理が甘かったからですが
盗んだ人、気に入ったんなら連絡をいただきたい。

そんなわけで、盗まれた後に見に来てくれた人には
不完全な状態で発表したことになってしまったことになります。
気付かなかったとは思いますが
申し訳ない気持と悔しさを感じています。



去年の今頃開催されていた大竹伸朗の巨大展覧会の
カタログがついに届いた。

延期に延期を重ね、とうとう1年遅れでの登場となった本作は
重量6kg、膨大な量の図版を収録。

どんな内容になるのか、1年間想像していたが
カタログとしての側面を重視したわりとシンプルな造りで
変な形態ではなかった。

ただ、普通なら3巻くらいに分割する量を
強引に1冊にまとめあげた迫力がすごい。
これは1冊でなければならない本なのだろう。

箱に使用されているスクラップがとても綺麗。



本棚に入れて比較してみた図。
右端が大竹本。

2007年11月26日

OBSCURE

 

  
六本木での展示が終了しました。
来てくださったみなさん、ありがとうございました。
(CDブックの注文は引き続き受付中です。)
  
今回は制作に協力をいただいた
富士ゼロックス・ART BY XEROXについて
書いてみようと思います。

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僕がやっている本の制作にはコピー機を多用する。
特に今回は本をいつもより多く生産するので
コピー機はますますかかせないわけだ。

以前は、コンビニのコピー機を使っていたけど
コンビニによってその質は違う。

HPで見てもそこまでは解らないけど書いてしまうと
コジャノメ」まではローソン、
砂の町」以降はセブンイレブン。

ローソンを使っていたのは最寄りの店だったからだが
やってるうちに質の違いに気付いたのだ。
全てのコンビニを試したわけではないけど
セブンイレブンのコピーが多分一番だと思う。

・・と言っても、絵や写真意外ならばローソンでもどこでも
ほとんど変わりはないですよ、念のため。
 
でも性能がよければ何でもありというわけでもなく
わざと荒いザラッとした白黒コピーを取りたい場合は
ampmがよかった・・って全然褒めてることにならないけど(笑)
 
で、そのセブンのコピー機が実は富士ゼロックスだったと
最近になって気付いたのだった。

そんな富士ゼロックスのART BY XEROXを知ったきっかけは
自費出版アートブックなどによくクレジットがあったからだ。

確か初めて発見したのは・・
OBSCUREという自主制作雑誌(?)だったと思う。
8号くらいまで出ていた。
今は消滅してしまったのかな?
 
これについては、昔雑誌に記事が載ったりしてたけど
今ネットで検索してもあんまり出てこない。↓
 
僕の検索方法が甘いのかも知れないけど、
この機会にそのことも書いておこう。

OBSCUREは写真や絵から音楽まで、
いろんなアーティストが集まった集団が
不定期に出していた雑誌みたいなもの。
 
毎回形態が変わり、表紙が鉄板でできている号や
中に原画が入っていて1部1部がすべて違う号など
出版社ではあり得ないオルタナティブな作りだった。
僕が持ってるのにはノイズのカセットテープが付いていた。

99年から01年くらいのことだったと思う。
本を自分で作り始めたばかりだった僕にとってすごい衝撃であり、
今も憧れのような感覚がある。

数百部しか作らず、儲けがあるとも思えにくい価格だったけど、
作りたいものを作る。
出版社から出ている本が上、という感じは微塵もなく
それでいて稚拙なものには成り下がらない出来だった。

今回の僕らのCD本もこれに近い発表の仕方を目指している。
 
結構面倒な作業を一人でやるから
OBSCUREのよりも規模が小さい状態だけど、
自分らの作ったものが
同じように他の誰かに刺激を与えられるなら、
それが一番嬉しいです。
  
  
  
  

2007年11月8日

気配



塩田千春の展示を見てきた。
主にインスタレーション(空間表現)。
県民ホールでの展示だったので
大きな作品を見られた。

燃やされボロボロになったピアノと大量の椅子、
張り巡らされる無数の毛糸、
大きな壁のように連なるたくさんの古い窓。

どこか親近感が湧いた。
静寂だけど、人の気配を感じるからかな?

自分のコラージュは構成的な作風が多いから、
パソコンでやれば早いとも思うけど
そうすると人の気配がなくなってしまうのかもしれない。

それと、自分はインスタレーションをやる気は今はないが
そろそろ大きいのを作ってみたいな、と思った。


というわけで31名中、多分最も小さいサイズと思われる
新作が現在展示中です。

そして、HPがいつの間にか4周年。
またちょっと変えました。

2007年10月29日

いよいよ


 
今週の土曜日からいよいよ
六本木での展示とCDブックの発売です。
 
展示の情報はコチラ
 
会場では残念ながらCDは聴けませんが
手にとって見てもらうことができます。
 
それからHPのトップを変えてみました。
他にも「Strange Accordion」の写真等を
ちょこちょこと修正。

2007年9月30日

新作&展示

今月は全然更新してませんでした。

新作の詳細がやっと決定しました。
すでに予約してくれた方、遅くなってごめんなさい。

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「manicured picture」
2007年11月3日 発売
Limited Edition ¥1800

タングステン・ヒューズによる6曲入りCDと
各楽曲からイメージされたコラージュ6枚による
ハンドメイドブックです。

≪CD収録曲≫
01 夢見られた少女
02 hiss noise (flower-like life)
03 真冬の椅子
04 雑踏と群像
05 kai-lie
06 軽蔑

基本的に予約のみの販売となりますが
11月3日から11月24日までの間
六本木のアートバイゼロックス・ギャラリーにて
展示を行います。

展覧会のDMがほしい方、
展示は見ないけど買ってもいいよという方は
僕かタングステン・ヒューズにメールをください。

たくさんの人に届けたいです。

2007年8月28日

寿町フリーコンサート



知る人ぞ知る寿町フリーコンサートに12日、行ってきた。

これは毎年やってる無料の野外イベントで
5年前に初めて行った時の衝撃が忘れられない。

寿町は横浜にある、いわゆるドヤ街。
日雇い労働者がいっぱいいる普段は行く機会のない場所だ。
すぐ近くに中華街があるけど
そういう一般的な横浜のイメージとは正反対。

そんな場所で、外部からやってきた客と
労働者のおっちゃんたちが一緒になって踊る。
本当の意味のお祭りを感じた。

今年はフジロックに初めて行ったけど
巨大なフェスばかりが良いわけじゃない。

ちなみに出演者が6組中2組
(「ソウルフラワーモノノケサミット」と「寿」)
今年のフジロックと重複していたから
音楽性もかなりのものだ。
強いて言うなら、酒に合う音楽が多い感じかな?

HPに載ってる過去の出演者一覧が興味深い。
じゃがたら、ボ・ガンボス、渋さ知らズ、友部正人、渚ようこ等、
まぁこれも「知る人ぞ知る」なのかもしれないけど
すごいラインナップだ。

でも、全然知らずに見たバンドが気に入ることもある。
数年前にここで知ったマーガレット・ズロースというバンドが
好きなんだけど今年は出なかったから残念!

住居のある町の中にギリギリでステージを作っているので
興味のない住人にとっては迷惑だろうな、とも思う。
今年は以前と比べどことなく雰囲気の変化も感じたし
考えさせられる部分もあった。

でも29年も続いてるこのコンサート。
これをきっかけに大事な何かを発見した人は
きっと多いと思う。

近くに住んでるけど行ったことない人は
ぜひ行ってみてほしいです。

※撮影禁止だったため、会場の写真はナシです。

2007年8月24日

雑文



川崎ラチッタデッラにて
すごくおとなしい猫2匹。
(と思ったらびびって隠れてるのがもう1匹いた。)
携帯で撮ってるので
もっときれいな写真を撮りたい欲が出てくる。

昔、渋谷にあったPROGETTOという美術系の本屋が
今はここにあるんだけどいまいち物足りない。
何かもっと特徴を出して欲しい。

隣りのタワレコでルー・リードの昔のアルバムを
500円で見つけた。
最近出た太極拳の(?)音楽のインストアルバムは
聴いてないけど
売れたいという態度が全然感じられなくてすごい。

2007年8月3日

FUJI ROCK FESTIVAL 07



フジロックに初めて行った。

雨は殆ど降らず、4泊5日のテント生活もなんとかなり
友人と二人で盛り上がる。

僕の一番の目的は
23年振りに来日したキュアーで初日のトリ。

自分は当然見るのは初めてだけど
23年間待っていた人もいるんだからスゴイ。
そんなわけファンの年齢層には偏りがなかった。

ベスト盤的な選曲に
僕がいた前方の客席は大合唱だった。
ニューウェイブの暗いバンドというイメージもあるがけど
実際はとてもポップなバンドだというのを再認識。

前にいたから後方がどんな感じだったのかは分からないけど。

実は前夜祭の日、
立入禁止だったグリーンステージから
キュアーのリハの音が聞こえてきて、ドキッとさせられた。
ほとんど見えないのに、はるか離れたフェンスの前に
ファンが集まる。
最近のライブでは滅多にやらない”KYOTO SONG”が
聞こえてきたときは感動してしまった。

また来て欲しいけど無理かなぁ。
キュアーを来日させたフジの力はすごい。

フジロックはもう11年目。
普段はなかなか見られないミュージシャンを
3日間、自然に囲まれながら見放題という環境は
10年前までは想像できなかったことだと思う。
それがすっかり日本で定着したのはすごい進歩だ。

キュアー以外に見たのは
ブロンドレッドヘッド(これも最高)、マニーマーク、
サンボマスター、少年ナイフ、リリーアレン、!!!、
イギーポップ、ヴィンセントギャロ、エレクトラレーン、
toe、ジョスストーン、ほか名前を知らないバンド多数。
森の中のミラーボール等、ステージ以外の演出も面白かった。

フリクションやバトルズを見逃したのは悔しいいけど
なんだかんだで会場全体の開放的な雰囲気を
楽しんだので今回はよしとしよう。

2007年7月23日



最近よく出くわす近所の猫。
近づいても逃げないので
近所を歩くのがちょっと楽しみ。
昔はどうでもよかったのに
年々、小さい子供や動物が
かわいく見えるようになってきたから不思議だ。
特に猫。

2007年7月10日

上半期





今年上半期に観た展示の中から
印象に残ったものをいくつか。


①アドリアナ・ヴァレジョン展(原美術館)

ブラジル出身の画家。
なかなか名前が覚えられない・・。
プール/浴室の絵のシリーズは水の静かな動きが見事に描かれていた。
他にも東洋的な絵画や、
画面の中央がが裂けた痛々しい作品なども面白かった。
でも展示数が少ない!
原美術館は小さいからいつもそうなのだ。


②少女恋の美学・展(マリアの心臓/渋谷)

球体関節人形ミュージアムで行なわれた
人形や絵画のコレクション展示。
この場所は前からずっと気になっていて、
今回初めて入ってみたのだが・・これはかなり濃い。
地下の狭い空間にギリギリ歩けるくらいの量の作品、
作家数も50名以上。
昔のフランス人形から現在の人形作品、
耽美的な平面作品・・。
こういう世界が好きな人には多分たまらないと思う。
でも子供に見せたらトラウマになりそう。
これまでは人形って近寄り難くて
ちゃんと観たことがなかったから新鮮だった。
天野可淡の人形が特に衝撃。


③澁澤龍彦「驚異の部屋」(ギャラリーTOM/渋谷)

埼玉の美術館で大規模な展示があったみたいだけど
それは横須賀に巡回してくるのを待つことにして、
先にこの関連企画を見に行った。
彼とゆかりのある作家達の作品。
合田佐和子の箱の作品がとんでもなくかっこいい。
(彼女は②にも参加していた。)
日本人で箱の作品を作る人って
みんな似たようなおとなしい印象なんだけど、
彼女の箱/コラージュのセンスは独特だと思う。


④ネオン・オクロック・ワークス「カーゲンアイデクセ」
(パラボリカ・ビス/浅草橋)

雑誌「夜想」関連の去年オープンしたギャラリー。
映像を中心に、コラージュ箱作品やオブジェで空間を構成。
それぞれの作品もかっこいいけど
照明から椅子の並べ方、 展示物以外の
小物の選び方までこだわり抜いていて、
会場全体がとても完成されたものになっていた。
このユニット(?)は去年知ったのだけど
これからもっと見られる機会が増えるといいな。


⑤石下理栄「花空(かくう)の裏庭」(DAZZLE/外苑前)

大小さまざまなサイズの花の写真が
三方の壁に不規則に配置されていて
全体を見渡すのが楽しい展示だった。
それぞれの写真も好みなのだけど、
やっぱりただ飾るだけとは大違いだなぁと思う。


てな感じでした。
①は美術館だからともかく、
②③④は決して大きくないギャラリーなのに
入場料があったという共通点に書いてて気付きました。

※写真は本文とは関係ありません。

2007年7月3日

製作中



製作中のCDブック"manicured picture"(通称マニピク)は
僕の作風のダークな面が引き出された内容になりそうです。

本当はポップで明るいものも大好きなのだけど、
音楽を担当しているタングステン・ヒューズの
暗く混沌とした世界観と今回は共振しています。

完全に自由に作ることはできないけど、
だからこそ前に進むことができるのが
コラボレーションの面白さだと思います。

(写真はコラージュ作成中の素材の断片)

2007年6月28日

紫陽花



快晴の日の神社のあじさい。
と書かなければ雨を連想しそうな写真。

2007年6月6日

10年

先週は、表参道のNadiffが閉店に。
この店がオープンしたのは10年前、
自分が絵に興味が向き始めたのと同時期だった。
10年近い間、たくさんの発見をしてきた店だったので
閉店は感慨深い。
実際は移転までの休業らしいけど
馴染みのある表参道からなくなったのは残念。
街はどんどん変わっていきます。




先週末は、弟の誘いで「箱庭の室内楽」のイベントへ。
知らないバンドをいくつか観る。
毎日いろんな知らない場所で
いろんな知らない人が何か表現していることを感じる。

自分の新作も着々と製作中です。

2007年5月28日

新作情報

半年もほったらかしにしていました。
今回からMemoはこのブログで更新していきます。

さて、最近は”真夜中のバンド”tungsten fuse(タングステン・ヒューズ)とのコラボレーション作品を製作中です。

これは、彼らのセカンドアルバムとなる6曲入りCDに
僕の新作コラージュ6枚を合体させたCD+本という形になります。
特殊な形態になるため、僕の手作りによる少数生産になる予定なので
買ってやってもいいぞという方は連絡ください。
詳細は決まり次第またここでお知らせします。

new album”manicured picture"
...coming in summer??
¥1800(tax in)/予約受付中

タングステン・ヒューズのHPはこちら


また話は別ですが、
このブログと連動して個人的な覚え書きブログ「地上の手帖」も始めました。
こっちは、ネットで見つけたお気に入りのページを整理する目的のものなので
僕以外の人が見ても意味不明かもしれませんが。
一応、右の「詳細プロフィール」からリンクがあります。